01.03.2023
伝統チベット顔料を商品化したタンカ研究の第一人者
阿旺晋美 A Wang Jin Mei(チベット鉱物・植物顔料製造技術無形文化遺産継承者)
私はチベットでは現代美術教育を受けた第一世代で、当時の先生たちはチベットを支援するため本土から来ました。チベット大学、天津美術学院、中央美術学院で学んだ後、チベット大学で中国画を教えることになり、1984年にチベット美術教育研究室を設立し、40年近く教育に携わってきました。指導先生に先祖代々タンカ絵師の子孫がいて、伝統のチベットタンカは家族単位で受け継がれていました。1985年にチベット大学で正式にタンカ絵画科を開設しましたが、教材も設備もなく、10年を費やして、最初のチベット美術教科書を含めて『チベット美術略史』、『チベットと漢語美術辞典』を制作しました。
世界には、チベット族のように、経堂や仏堂に多くのタンカや壁画、家々も美術館のように壁画やタンカで埋め尽くされる民族はありません。チベット各地にあるタンカ壁画の遺跡を調べて発見したのは、ほこりまみれで数百年や千年が経った壁画でも、ほこりを掃くとまるで新作でした。先生は、顔料、そして壁、布、チベット高原の特殊な気候と自然が住宅、洞窟や寺院のタンカを守っていると教えてくれました。それが私の研究の出発点となりました。
インタビュー詳細はTop Creator’s Interviewに掲載